第115章

ディスパイト・グループの本拠地は、それ自体がひとつの独立した領土といっても過言ではなかった。敷地境界は高い壁で囲まれ、哨戒所には警備員が配置されている。壁の内側には高層ビル群がそびえ立ち、さながら隔絶された別世界の様相を呈していた。

ネイサン、サミュエル、そしてその他のメンバーは、すでにディスパイト・グループの平面図と警備配置を入手していた。正面ゲートから侵入すれば、無用な警戒を招くだけだ。そのため、ネイサンたちは廃棄物やゴミの搬出に使われる裏ゲートへと向かった。

そこにも数名の警備員がいたが、警備体制は正門ほど厳重ではなかった。

その時、警備室の中では、警備員たちがタバコをふかし、ビール...

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