チャプター 1200

結婚披露宴はまだ始まっていなかった。

トーマスの隣に座ったヒルダは、声を潜めて彼と話し込んでいた。彼女は少し離れた場所に立っているレックスに視線をやった。

「レックスはシャマエタに惹かれてるわ。もう諦める潮時よ。あんな馬鹿な犬のために人生を無駄にすることないわ」

あの二人を見ていると耐えられない。

レックスはトーマスに相応しくないパートナーだ。

トーマスなら将来、もっとずっと素敵な人に出会えるはずだ。彼女は彼の方を叩いて言った。「一刻も早く、彼から離れるべきよ」

トーマスは少し辛そうな笑顔を浮かべ、平然と言い放った。「もちろんだよ。子供とペットの親権は僕がもらう!」

その微笑みは...

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