第1306章

軍の公邸にて、クレモン大老爺は結婚式の知らせを聞くやいなや、愛する孫の晴れ姿を一目見ようと、現場へ向かうと言って駄々をこね始めた。

「これは朗報じゃ!」

しかし、ウィリアムは親切心からこう諭した。「大旦那様、あなたはもう亡くなって2、3年になるんですよ」

彼の言う通りだ……わしはもう数年前に死んだことになっている。私の死はニュースで公表され、死亡記事まで出された。実はずっと生きていたなどと明かすわけにはいかない。その事実に思い至ると、クレモン大老爺は途端に意気消沈してしまった。

クレモン家の面々は、誰もこの結婚に反対していなかった。

だが、コニーとジェロームの結婚を密かに批判する度胸...

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