第160章

彼は黒い大鉈(マチェーテ)を振り上げ、ネイサンに向かって大股で歩み寄った。

ゴーストは筋骨隆々の巨躯を誇り、その歩幅は広かった。さらに彼は、鍛え抜かれた古武術の戦士でもある。大地を踏みしめる確かな足音が、足下の地面を震わせるかのようだった。ゴーストはその異様な存在感だけで、周囲の者を畏怖させた。

ガスペルとヌエラは警戒の色を浮かべて顔を見合わせた。ゴーストが決して侮れない相手であることを、二人は理解していたのだ。

ヒルダでさえ、ゴーストが放つ恐ろしいオーラを感じ取っていた。

しかし、ネイサンだけは例外だった。その表情はあくまで冷静な仮面を被ったようで、ゴーストの気迫に微塵も動じていない...

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