第二十三章

レックスは闇に潜む人影へと隠密に躍りかかると、即座に手にしたスタンガンを押し当てて電流を浴びせた。黒衣の男の体は一瞬痙攣したが、驚いたことに、彼は倒れるどころか微動だにしなかった。その暗殺者の姿は、まるで塔のように大地に根を下ろし、揺るぎなくそびえ立っていた。

180センチを超えるレックスの体が、相手の巨躯の前では実に小さく見えた。鈍い音と共に、レックスは黒衣の男によって凄まじい勢いで地面に叩きつけられた。彼は呻き声を漏らすと、その場で意識を失った。

暗殺者はカフェに隠れていた群衆の方へと歩を進め、人々は恐怖に駆られて後ずさりした。

レックスのような屈強な男でさえ一撃で倒されたのだ、この男...

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