第二十七章

ヒルダが部屋に入ると、廊下は男たちの戦場と化した。

ネイサンは指の関節をポキポキと鳴らしながら、レックスの方へと歩み寄った。近づくにつれて、その顔に浮かぶ笑みは深くなっていく。「俺を撃ちたいそうだな」

レックスは恐怖のあまり、引きつった笑みを浮かべながら慌てて手を振った。

「ハハハハ! ネイサン、そんなことするわけないじゃないですか!」

そう言いながらも、彼はこっそりと後ずさりをする。

「勇気の薬」を飲んだって、ネイサンを撃つなんてできるわけがない!

なんてことだ、ヒルダがまさかネイサン・クレモンと結婚していたなんて!

くそっ!

ネイサンはゆっくりと彼に迫った。「さっきは、この年寄りを...

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