チャプター 329

出場者たちがステージを降りると、彼女たちは皆一様に高揚感に包まれていた。

「さっき、あのアイドルが私を見てたの。あらやだ、彼が私に微笑んでくれたわ。つまり、私の出来がすごく良かったってことよね!」

「彼が私のスコアを書き込むとき、丸をつけているのが見えたわ。きっと満点の10点をくれたに違いないわ!」

それを耳にしたテヒラは、鼻で笑った。なんて馬鹿な連中なのだろう。自分のレベルもわかっていないような奴らに、ネイサンが満点の10点などをつけるはずがないではないか。

彼女は自分のパフォーマンスに絶対の自信を持っていた。おそらく、これまでの自分すらも超える出来栄えだったはずだ。今年のミス・ミステ...

ログインして続きを読む