チャプター 381

ネイサンはその薬物中毒者のことを口にしたとき、冷静で、動じた様子など微塵も見せなかった。人の命が失われたことに対して、一片の憐れみすら感じていないようだ。彼にしてみれば、そんなクズのような中毒者を買い取るのに百万も払う価値などなかったのだ。だが、あの時は時間がなかった。短期間で自分と同じ体格と顔立ちの人間を見つけるのは容易ではない。向こうから志願してきたからこそ、ネイサンは渋々その要求を呑んだに過ぎない。

生きている時から、男はどうしようもない人間のクズだった。毎日妻子に暴力を振るうだけでなく、家から金を盗み出してはドラッグでハイになることしか能がない。妻は子供を育てるために三つの仕事を掛け...

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