第四十九章

一方、ホテルの部屋では、ネイツ家の老夫人がテヒラと親しげに話し込んでいた。

「お前さんのような可愛らしい娘が本当に気に入ったよ。私のネイサンにはお前こそがお似合いだ!」

テヒラはすぐに顔を赤らめた。

「お祖母様、そんなことおっしゃらないでください。ネイサンにはもう奥様がいらっしゃるのですから!」

まだ会ったこともないというのに、老夫人はすでにネイサンの妻に対して激しい嫌悪感を抱いていた。彼女は厳しい口調で言った。

「あの女か! 私の孫の家から一刻も早く追い出してやる。この世で私の孫にふさわしいのは、お前だけだよ!」

テヒラの顔は恥じらいでさらに赤くなっていった。

この好機を逃すまいと、...

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