第四十八章

ウエディングドレス選びとなると、ヒルダはとりわけ真剣な様子だった。ネイサンもまた、そんな彼女に付き合うことに専念しているようだった。

ネイサンは、ヒルダが次々と新しいドレスを試着する姿を見守っていた。すると突然、彼は不意に立ち上がり、こう言った。

「ネイト家の連中が家で騒ぎを起こしているらしい。様子を見に戻らないと」

状況を天秤にかけた結果、ネイサンは一度戻って事態を確認するのが最善だと判断したのだ。

ヒルダは急いで答えた。

「それなら、あなたは先に帰ってて。私はドレスの試着が終わったら、軍の居住区のおじいちゃんのところに行くから」

「ああ。夜になったら迎えの車を寄こすよ」

ネイサンは足...

ログインして続きを読む