第525章

まったく、これだからジョーダン家の娘は……。あれは血筋としての闇、遺伝した暗黒面だ。彼女の陰鬱さは極端なものだったが、同時にそれはどうしようもなく愛らしくもあった。

レックスはネイサンに事の顛末を報告し終えると、嘆くように尋ねた。「司令官、ヒルダさんは僕を恨んでるんでしょうか?」

ネイサンは鼻を鳴らして言った。「お前の口を瞬間接着剤で塞がなかったところを見ると、まだ愛すべき駄犬だと思ってるんだろ。安心しろ」

その言葉は、レックスをさらなる絶望へと突き落とした。「どうすればいいんですか、司令官?」

「今後、うちへ飯を食いに来るときはもっと警戒することだな。料理や酒に毒を盛られるかもしれん...

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