第605章

永遠とも思える時間を待たされた挙句、警備員たちが頑として立ち入りを拒むと、アクフォ氏の顔色は険しくなった。背後に控えていた親族たちからは、即座に心ない陰口が漏れ始めた。

その中でも、一際厚化粧をした女性が口火を切るように声を上げた。「あら、どうして門を開けてくれないのかしら? もしかしてソニア、人様には言えないようなことでもしているんじゃないの?」

それを合図に、女性たちは口々に噂話を始めた。「なんて恥知らずな子! 自分の父親を門の外に閉め出すなんてねえ」

「ソニアはいったいどうしてしまったの? あんな裏社会の連中と関わり合いになるなんて」

「根はいい子なんだけど、歳を重ねるごとにどうしよ...

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