第762章

ジュリアナの話になると、ダイアナは怒りで歯ぎしりが止まらなくなるのだった。彼女に言わせれば、ジュリアナなど名声も広告契約もない、ただの三流ポルノ女優に過ぎない。オスカーの主演女優賞だって、どうせ審査員の一人と寝て手に入れたものに違いないと決めつけていた。「受賞したからって、何様のつもりよ?」

本音を言えば、ダイアナだって分かっていた。ジュリアナが映画一本で数十億もの興行収入を軽々と叩き出す大女優だということを。一方の自分はといえば、テレビドラマやバラエティ番組に出るのが関の山で、出演映画の興行収入が十億を超えれば御の字というレベルだ。

業界人なら誰でも、どちらの仕事が格上かは承知している。...

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