第792章

その瞬間、コニーは娘がサハラと対峙する様子をじっと見守っていた。

ダミアン家はいずれ再統合されなければならない。そして、その世代の最初の娘であるヒルダは、いつかサハラと向き合わねばならない運命にあった。

その日が、今まさに訪れたのだ。

追い詰められたと悟ったサハラだが、自分こそが正当な王位継承者だという信念にしがみついた。彼女は背筋を伸ばし、その場を支配するような威圧感を強めることで勇気を奮い立たせ、ヒルダに向き直る。

その人垣の中で対峙している相手が誰なのか、彼女は誰よりもよく理解していたからだ。

「ヒルダ、弟の診断書はすぐに出るわよ。悪いことは言わないから、あのクソガキどもを引き...

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