チャプター 818

数日が経っても、軍部は依然としてブライアナの死を悼んでいた。だが、その直後にリリーを襲った出来事が、人々の関心を一気に奪い去ったのである。

所詮、ブライアナとリリーは軍部における二大マドンナだったのだ。親の七光りを利用していたブライアナは、飾り物と何ら変わりがなかった。対照的に、リリーは己の実力のみを頼りに生きてきた。

あの頃、ウィリアムはリリーを守るべく、あわやコニーと一戦交える寸前までいったことがある。地位からすれば、軍にとってより重要な存在はコニーの方だったからだ。

騒動が徐々に沈静化するにつれ、ブライアナの墓には雑草が生い茂るようになっていた。一方、無実が証明されたヒルダは、自宅...

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