第18章

あの日の家族の食事会が終わってからというもの、松原南はほとんどの気持ちを仕事へ向けていた。

「南、今日ちょっと急用ができちゃって。この書類、代わりに整理してもらえない?」

同僚は彼女のそばに寄ると、両手を合わせて拝むように言った。

「お願い! 明日戻ったらご飯おごるから。ね、いいでしょ?」

あまりにも必死な顔をされて、松原南も少しだけためらう。

「今回だけですよ」

二秒ほど考えてから、彼女はうなずいた。

「でも、量が多いなら無理です」

「大丈夫、大した量じゃないから。本当にありがとう! 一生恩に着る!」

同僚は胸を叩きながら大喜びする。

松原南は思わず笑って首を振り、また...

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