第39章

クルミは顔色を失い、病室のベッドに小さく横たわっていた。体も小さくて、抱き寄せたら折れてしまいそうで、力を入れるのが怖いほどだ。

松原南の瞳には、痛いほどの愛おしさが滲む。

よかった。

江村成宏みたいな男に、クルミの親権を渡さなくて。

こんなに可愛い娘が、あんな豺狼の巣に放り込まれたら――助けを求めても誰にも届かない。

松原南はそっと目を閉じ、柔らかな頬に指先で触れながら、胸の奥で誓った。

自分のすべてを使ってでも、クルミの無事を守る――。

「クルミを見ないで、出てきて何してるの」

藤原奥様は藤原傑の後を追って廊下に出てきていた。

眉をひそめ、不満げに言う。

「あの子、あ...

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