第48章

町谷勝矢は職務に忠実で、口にする言葉にまで刺々しさが滲んでいた。

「経済力についてですが、被告の娘であるクルミさんは、病気が発覚してから今日に至るまで、そばで支えてきたのは一貫して被告です。治療費もすべて被告が負担しています。原告が関与したのは腎臓提供者を見つけたことのみで、具体的な援助の意思表示は確認できません」

原告と被告は互いに一歩も引かず、言葉の応酬が続いた。

だが、江村成宏はそもそもクルミの親権を取る気などなかった。だから自分の行動を取り繕う発想もなく、その分だけ、いつの間にか立場が弱くなっていた。

「慎重に審理した結果、本件について判決を言い渡します」

裁判官は数秒沈黙...

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