第65章

しかし……。

松原南は目を伏せ、視線を床へ落とした。きつく唇を結んだせいで、血の気が引いて白く見える。

藤原傑が怪我をしたのは、彼女のせいだ。

避けられたはずだった。それなのに、彼女は――。

全部、自分が悪い。

もう、誰かが自分のせいで傷つくのなんて見たくない。

「松原南、あんた何様のつもり?」

白原明子は一瞬きょとんとし、次の瞬間には怒りをさらに燃え上がらせた。

か弱そうな仮面を投げ捨て、脅すように言い放つ。

「こっちはね、いろいろ握ってんの。あんたが知りたいことだって、その中にあるかもしれない。あとで泣きついてきても、知らないから!」

その言葉は、松原南の心を一ミリも...

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