第157章

私は居間に座り、時間つぶしに医学書をぱらぱらとめくっていた。

ヘンリーはメープル・グローブの居間で私の向かいに座り、黙ったまま、ひどく集中した眼差しでこちらを見つめていた。その視線がずっと自分の上にあるのを、私ははっきり感じていた。

妙だったのは、彼の辛抱強さだ。私の知っているヘンリーなら、いらいらと指で何かを叩き、メールが来ていないかと携帯を何度ものぞき込んでいたはずだ。なのに今のヘンリーは、ただ……そこに座っているだけで満足しているように見えた。私が本を読むのを、ひと言の不満もなく眺めている。

おかしいわね、と私は顔を上げないまま、もう一ページめくった。今度は何を企んでいるの?

そ...

ログインして続きを読む