第172章

病院にて。

イザベラは病室のベッドに横たわったまま、身じろぎひとつしなかった。目は赤く腫れ、まぶたも重そうだ。個室を押しつぶすような沈黙を破るのは、心電図モニターの規則正しい電子音だけだった。

ナンシーが落ち着かない様子で枕元に立つ。「スコットさん、お願いですから泣くのはやめてください」苛立ちを辛うじて隠した声で促す。「先生も、泣いちゃいけないってはっきりおっしゃってました。体に障りますよ」

イザベラは答えず、虚ろな視線を天井に貼りつけたままだった。

ヘンリーが病室を怒りにまかせて出て行ってから、彼女はほとんど言葉を発していない。あの冷たく侮蔑するような眼差しが、彼女の奥深くにある何か...

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