チャプター 21

ビリーの小さな手が、私の掌の中であたたかい。目に入った瞬間、違和感が走った――ヘンリーが祖父のベッド脇にひとりで立っていて、いつもそばにいるはずのイザベラの姿がどこにもない。彼の影のように寄り添う彼女がいないことが、ひどくちぐはぐに感じられた。少しだけ斜めに掛かった絵を見つけたときの、あの落ち着かなさに似ている。

ベッドサイドのテーブルには、鮮やかな赤いリンゴが籠に盛られていた。磨かれた皮が、午後遅くの光を受けてつやめく。イザベラがいない意味を考えたくなる衝動――トマスのオフィスでの一件のあと、彼女とヘンリーが言い争ったのか、それとも単に祖父の世話のため、彼が少しの間だけ彼女を離したのか――...

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