第二十二章

階下で持ち上がった醜聞にハーディング家の大広間がざわめく一方、二階の客間だけは、すでに外界から切り離された別世界になっていた。

あの奇妙で鼻を刺すような匂いが、私たちのまわりの空気にいつまでもまとわりついていた。

心臓は激しく脈打ち、肌は焼けつくほど敏感になり、理性を押し流すような原始的な欲求が血管の奥を駆け巡る――思考など許さない、すべてを呑み込む渇望だった。

ヘンリーは背後で扉を蹴り閉めるや否や、ほとんど間を置かずに唇をぶつけてきた。その口づけは必死で、飢えていて、何年も飢餓に苦しんできた男がようやく饗宴を与えられたかのようだった。私は彼を突き放そうとした。けれど、この身体は私を裏切...

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