第二十四章

ヘンリーの執務室は広々としていて、一見するとひどく厳格な仕事場に見えた。だが脇の扉を抜ければ、そこには居心地のいい居住空間が広がっている。寝室が二つあるスイート仕様で、そのうえちょっとした娯楽スペースまで備わっており、彼は気晴らしにミニゴルフをして過ごすこともあった。

もっとも、寝室が二つあるとはいえ、どちらの部屋もヘンリーの私物で埋め尽くされていて、グレースが泊まるにはまるで現実的ではなかった。

もちろん、ヘンリーにも彼女を泊めるつもりなどさらさらなかった。

ヘンリーは妹をまっすぐ見据えた。その目にはあからさまな不快と非難が満ちていた。

だがグレースは、兄の不機嫌などまるで気にしてい...

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