チャプター 251

なんて厚かましい男、口先ばかりじゃない。

わたしは無言で、ビリーとやり取りするヘンリーをにらみつけていた。子ども相手に平気で嘘をつくなんて、いったいどんな人間なの。

親子参加のイベントが終わるころには、もう正午を回っていた。

ヘンリーはビリーの手を取り、街に一台しかない特別仕様のアストンマーティンへと連れていった。こちらには目もくれず、まるでわたしなど最初からいないかのような態度だ。

車のところで、彼はビリーを膝の上に乗せ、スマートフォンを取り出すと、四季ホテルのビュッフェメニューを気軽にスクロールし始めた。わたしが一緒に行くかどうかなど、まるで気にしていない。

当然だ。彼に子どもを...

ログインして続きを読む