チャプター 276

「ヘンリー……?」私は信じられない気持ちで彼を見つめた。「どうしてここにいるの?アレクサンダーはどこ?」

ヘンリーは私の病室のベッド脇の椅子に落ち着き払って腰を下ろしていた。いつになく身なりが崩れている。ふだんは隙のないスーツは皺だらけで、顎には無精ひげが薄く影を落としていた。だが、その鋭い眼差しだけは相変わらず、刺すように強い。

私は掛け布団を乱暴に跳ねのけ、出ていく気で体を起こした。「ここを出る」

「そこまでだ」ヘンリーの声が氷の刃のように部屋を切り裂いた。「アレクサンダーを探しているのか?見つからないぞ」

動きが途中で止まり、心臓が底へ沈む。「彼に何をしたの?」

ヘンリーの表情...

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