第二十八章

ヘンリーが胸の奥に膨れ上がる怒りをどうにか抑え込もうとしていた、そのちょうど時、病室の扉が押し開けられた。

私は白衣をまとって中へ入った。いつもの看護師の制服ではなく、その日だけ医師用のコートに袖を通し、髪は頭の上で簡素なお団子にまとめていた。

顔の下半分はサージカルマスクで覆われ、外に出ているのは目元だけだった。そのせいで、もともと小さい私の顔はいっそう小さく見えた。

ヘンリーは、まさか私が戻ってくるとは思っていなかったのだろう。私の姿を見た瞬間、全身がぴたりと固まった。

私は彼の表情の変化に気づいた。目の中にあった怒気が、私の顔を見た一瞬だけふっとやわらいだ。だが次の瞬間には、何か...

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