チャプター 307

ヘンリーの姿が病室に現れた瞬間、室内に衝撃が走った。

キャサリンの笑みはたちまち消え失せ、顔から血の気が引いた。イザベラは目に見えて震え、涙をいっぱいにためた目でヘンリーを哀れっぽく見つめた。

「ヘンリー……」彼女は今にも泣き崩れそうな声で言った。「本当に、そこまで残酷にならなきゃいけないの? 私たちが一緒に過ごしたあの年月は? あなたにとって何の意味もなかったの?」

ヘンリーは、かつて愛していると思っていた女を見つめたまま、表情ひとつ変えなかった。

「君の嘘に騙されて、憐れみで与えてやった年月のことか」

イザベラは鋭く息をのんだ。

数分後、警察がキャサリンとイザベラを連行していっ...

ログインして続きを読む