第六十九章

ビリーは帰宅してからというもの、ケーキの箱を待ちきれない様子でずっと目で追っていた。胸の高鳴りを抑えきれないのがありありとわかる。夕食を終えると、ヘンリーが台所から白いケーキ箱を持ってくるなり、ビリーは椅子の上で跳ねるように身を弾ませた。

「ぼくがやっていい? ねえ、パパ、お願い!」

ビリーはせがみ、小さな手はもう箱へ伸びていた。

ヘンリーはうなずき、いつもの厳しさをゆるめるように、珍しく甘い笑みを浮かべた。

「やってみろ」

ビリーは包みをそっと外し、ケーキを慎重に取り出した。バニラの素朴なケーキで、上にはイチゴが見事な模様に並べられている。

彼は息を詰めるほど真剣な顔で、誕生...

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