チャプター 73

バーの特別室は闇に沈み、やわらかな青い間接照明だけがほのかに空間を照らしていた。ヘンリーは革張りのソファにだらしなく身を投げ出し、いつもの人を圧するような威厳は見る影もなかった。

スーツはしわだらけで、ついさっきまで完璧に整っていた髪も無残に乱れている。ガラステーブルの上では空になった瓶が一本横倒しになり、その脇にはまだ飲み干されていない瓶が何本も並んでいた。かつて鋭く人を射抜いた目は、いまや力なく天井を見つめているだけだった。

そのとき、扉がいきなり開いた。ベンジャミンが入口に立ち、目の前に広がるみじめな光景を、案じる気持ちと信じがたさの入り混じった表情で見渡した。

「なんてざまだ」ベ...

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