チャプター 90

闇に取り囲まれていた。意識と無の狭間にある、得体の知れない境界の空間に浮かんでいる。すると遠くに、それが見えた――かすかな光のきらめき。ためらいもなくそちらへ向かうと、なぜか足の下にはしっかりした地面が現れた。

「ソフィア!」

聞き慣れた声が虚空にこだましながら呼びかける。

胸が跳ねた。その声――聞き違えるはずがない。

「サム!」

私は呼び返し、歩みを速める。「サム、どこにいるの?」

近づくほど光は強まり、その輝きの中に立つ人影が浮かび上がった。私は必死に駆けだし、腕を伸ばし、指先で何か――なんでもいい、掴めるもの――に触れようとする。

けれど、どれだけ走っても距離は縮まらな...

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