第15章

気のせいだろうか。ごくありふれたその言葉の裏に、和也はどこか挑発的な響きを感じ取っていた。

和也は箸で料理を口に運び、淡々と言った。

「これは彼女の事業だからな」

そして、薄く笑みを浮かべて初音へ視線を向ける。

「君はどう思う?」

初音は顔がカッと熱くなるのを感じた。

かつて悠が和也に投資を持ちかけ、すげなく門前払いされたことを、彼女はまだはっきりと覚えている。

それがいまや、悠は成功を収めて帰国し、逆に『藤原の奥様』である自分を助けようとしているなんて……。

言葉にできない羞恥心が胸の奥からじわじわと広がっていく。だが、もうすぐ離婚するのだと思い直し、小さく息を吸って無理に...

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