第20章

突然の反撃に、直樹はばつが悪そうに顔を歪めた。

眼鏡を押し上げ、不快げに口を開く。

「弓月さん、少々ご機嫌斜めのようですね。最近、結婚式の準備でトラブルでもあったのでしょう。お察ししますが、私としては――」

「あなたが何を考えているかなんて、興味ありません」

初音は言葉を遮り、容赦なく言い放った。

「ごきげんよう」

言い捨てるなり、直樹の顔色など気にも留めず、隣で呆気に取られている七海へ向き直って軽く頷いた。

「七海、お先に失礼するわね」

「え? あ、うん、義姉さん、お疲れ!」

七海は慌てて相槌を打つ。

くるりと背を向けて歩き出す初音の後ろ姿を、七海は目で追った。背筋はピ...

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