第30章

初音は言葉を詰まらせ、寧々の様子をもう少し聞こうとしたが、電話の向こうの和也はすでに通話を切っていた。

その夜、初音はスマホを握りしめたまま、ソファに長く座り込み、ほとんど一睡もできなかった。

窓の外に広がる街の灯りを眺めながら、頭の中はぐちゃぐちゃだった。

今日、学校の門で自分を待っていた寧々が、どれほど失望し、悲しい思いをしただろうか――そのことばかりが頭を巡る。

確かに、意地を張って「もうこの子のことは放っておこう」と思ったことは何度もある。母親が欲しいなら雪菜のところへ行けばいい、どうせあの子も雪菜が母親になる方が嬉しいのだろう、と。

けれど……寧々がほんの少しでもすがるよ...

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