第50章

いったい誰が、彼女のデータを盗んだというのか。

あの日、帰宅したのは夜遅くだった。使用人すら彼女が戻ったことに気づいていない。それに、バッグはずっと寝室に置いてあった。

まさか……

その推測が脳裏をよぎった瞬間、初音の背中を冷や汗が伝った。

いや、あり得ない。寧々はまだ六歳だ。何も分かるはずがないし、膨大なデータはほとんどUSBメモリに保存してある。寧々がコピーしようとしたところで、やり方など知るわけがない。

だが、寧々でないとすれば、いったい誰が?

顔色をめまぐるしく変える彼女を見て、悟がたまらず口を開いた。

「心当たりがあるのか?」

初音は我に返り、一瞬呆然とした後、苦笑...

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