第11章 彼女に逃げる隙を一切与えない

アレックス・フィリップ視点

オーロラは、絵を売って俺のもとから逃げようとしていた。

その事実が、ひどく気に食わない。苛立つどころか、怒りさえ覚えた。

彼女の唇を食むたびに、何度も自分に言い聞かせる。

こいつは俺のものだ、と。どんな手を使ってでも、もう二度と逃がしはしない。

クレアがあそこへ来るとは思わなかった。

まして、クレアが現れた時のオーロラの反応が、あんなにも面白いものだとは。

怒りと欲が一緒くたに込み上げ、俺は懲罰みたいに最後まで抱いた。

これで少しは腹の虫も収まると思ったのに、オーロラはよりにもよって、何度も何度もクレアの名を口にした。

ほかのことを考える余裕が、...

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