第27章 彼女は恋人?

オーロラ・ロス視点

ぱちっ――。

アレックスが書類を閉じた。小さな音が、やけに大きく耳に刺さる。

はっと我に返った。

自分がどれだけ長いあいだ、彼を見つめていたのか――その事実に遅れて気づく。

慌てて視線を外し、誤魔化すように俯いて服の皺を整えた。平静を装える程度に呼吸を整えてから立ち上がり、執務室のドアを押し開ける。

外で待っていたジェイコブが、私の姿を見つけるなりすぐ近づいてきた。

「ロス嬢。こちらへご案内します」

「ありがとう」

扉を閉めようとして振り返った瞬間、アレックスと目が合った。

彼はずっと私を見ている。いつもの氷みたいな冷えは薄れ、唇がきゅっと結ばれていた...

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