第35章 チャンピオン

オーロラ・ロスの視点

私が黙ったままでいると、アレックスはふっと鼻で笑い、頬に軽いキスを落とした。

「今日は機嫌がいい。お前の無礼は見逃してやる」

「で? 今日のコンペのことだろ」

「選ばれなかったのか?」

相変わらず鋭い。いきなり核心を突いてくる。

私は首を横に振った。

「まだ結果は出てない。でも、だいたい分かる」

アレックスが舌打ちする。

「1位が欲しいか?」

「もちろん」と言いかけて、私は慌てて言い換えた。

「別に……努力すればいいだけ。今回はダメでも、次があるし」

「それに、1位より欲しいのは公平な勝負なの」

アレックスは目を細め、私の首筋へ顔を寄せると、ゆ...

ログインして続きを読む