第51章 もう終わりにしよう

オーロラ・ロス視点

「アレックス、話がある」

目の前の碧い瞳から、波のように揺れていた感情がすっと引いていく。残ったのは、底の知れない静けさだけだった。

彼は冷たく私を見下ろし、唇の端をつり上げる。

「何の話だ」

「アレックス、もう終わりにしよう」

「……」

私は真っすぐ彼を見た。声は、自分でも驚くほど落ち着いていた。

「あなたに借りたお金は、今夜返す。契約は無効」

「私たちは……何もなかったことにして、それぞれの人生に戻ろう」

彼は黙ったまま、私を見つめる。その視線からは、何ひとつ読み取れない。

今夜が最後かもしれない。そう思うと、自然に言葉が柔らかくなった。

「私...

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