第55章 彼が今の私たちに介入した

オーロラ・ロス視点

休憩の合間を使って、例の新任書記について調べさせた。

――けれど、成果はゼロ。

情報が意図的に伏せられているみたいだった。私の持っているルートじゃ、名前ひとつ掴めない。

政党内部の人間か、大企業の上層部でもなければ、そもそも「そんな人物がいる」ことすら知らないらしい。

好きなものを探るなんて、なおさら無理だ。

ふいにスマホの画面が点いた。

視線をやると、ルイからのメッセージ。

その表示を見た瞬間、どうしても、あの日のことが頭をよぎる。

アレックスの、悔しさと怒りに濁った目――。

私は小さく首を振り、絡みつく記憶を振り払ってからスマホを手に取った。

『...

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