第56章 彼の魅力

アレックス・フィリップス の視点

「ボス、ルイ・ホワイトが出ました」

床まで届く窓の前に立ち、眼下でルイ・ホワイトの黒い車がゆっくり遠ざかっていくのを見送った。

妙だ。

この高さじゃ、車の細部なんて見えるはずもない。それなのに――俺は本能で、ルイ・ホワイトがどこにいるのか分かってしまう。

「奴はオーロラに連絡したか?」

ジェイコブは一瞬ためらったあと、結局、口を開いた。

「はい」

差し出された資料を受け取る。護衛が聞き逃した言葉は一つもないらしい。オーロラとルイ・ホワイトの会話が、淡々と、だが鮮明に記録されていた。

ページをめくるほど、胸の奥が冷えていく。

「お前、この書...

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