第70章 ライバル

オーロラ・ロス視点

マイルズと連絡先を交換したあと、私はそのまま車で屋敷をあとにした。

バックミラーにぶら下がった小さな鈴が、ちりん、ちりんと揺れる。耳にやわく触れるその音は、まるで今の私の心そのものだった。少しも落ち着かない。

色の宮は、この五年ずっと新しい弟子を迎えていない。

それなのに今年は、招待状が三通も出された。

つまり、私のほかに、あと二人。

競い合う相手がいるということだ。

脳裏に、さっきのマイルズの言葉がよみがえる。

「オーロラ。今回の勝負、お前にとっては正直フェアじゃない」

「ほかの二人は、申し分ない家柄の令嬢だ。幼い頃から名のある画家に師事してきたし、色...

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