第286章 予期せぬ事態

「mkみたいなハイブランドのフルオーダーなんて、再来年まで予約でいっぱいのはずよ。そんな無理が通るのは小崎頌くらいね」宇草理穂が付け加えた。

佐々木海子は心の中で小さく息を呑んだ。

彼がそこまで手を尽くしてくれていたとは、思いもよらなかったのだ。

「ふん」住友琛は口元を歪めた。「たかがドレス一着で、褒めちぎるほどの真似かよ」

彼は宴会場の周囲をぐるりと見渡し、不満げに鼻を鳴らした。「なんだこの装飾は。結婚式場じゃあるまいし、安っぽくて仕方ないな。お前の会社の連中はどうしてこうもセンスがないんだ。これでも芸能事務所か?」

実のところ、佐々木海子もその違和感にはとうに気づいていた。

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