第151章 元彼氏

諏訪淳行の車は二台とも、ほどなくして走り去った。

先頭の一台が道を切り開き、諏訪淳行が乗っているのは後ろの車。ハンドルを握っているのは、まい本人だった。

夏川紅蓮は二台を見送った。テールランプが角を曲がって視界から消えるまで、目を離さない。完全に見えなくなったところで、ようやく胸元をそっと押さえる。

――さっきまで、心臓がうるさいほど速かった。

こんなふうに鼓動を乱されたのは、これまで空月だけだったのに。

前に夏川奥様が諏訪淳行を夕食に招いた日から、紅蓮は気づいていた。自分が諏訪淳行に抱く感覚は、ほかの男に向けるそれとは違う。

けれど、その違いが怖かった。

自分は一人じゃない。...

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