第157章 彼女が恐れるもの

さらに二日が過ぎた。夏川紅蓮はこの二日間、暗部の移転作業にかかりきりだった。

帝都のほうでは、彼女の筋書きどおり、暗部を狙っていた伊達派閥の連中に「見事に」暗部の重要拠点をいくつか潰させている。

すでに巷では、暗部のボスは死亡、組織は瓦解して烏合の衆になった――そんな噂まで流れ始めていた。

もちろん、真実は逆だ。暗部の人間は全員、こちらへ移し終えている。

それだけじゃない。彼らは表向きの拠点として、いくつもの店舗物件を買い取った。人員を分散させ、別々の店に住み込ませる。

一見すれば取るに足らない。地元の人間に溶け込み、ただの店員、ただの住人にしか見えない。

だが、その役割は大きい...

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