第167章 彼女は死んだ

須藤美代は聞く耳を持たなかった。たとえ死ぬことになろうと、今日こそ全部、はっきりさせるつもりだった。

夏川紅蓮に嵌められたことだけじゃない。夏川瑠璃に利用されたことも――言わなきゃいけない。

けれど医師が、長いチューブを彼女の口へ押し込んだ。

その横で須藤の父は、それを「処置」だとしか思っていない。ぎゅっと娘の手を握りしめ、

「怖がるな。父さんがそばにいる」

そう言った。

須藤美代は悟った。もう、二度と喋れない。

目を閉じると、目尻から涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。

毒をたっぷり含んだ花――誰かを殺すはずだった毒は、結局、自分の身を食い破った。

……

一方その頃。

夏川紅...

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