第174章 彼女の元彼氏

「いい! 俺の勘違いってことで、わざわざ来たのが無駄だったってことだろ? 今すぐ帰るよ。お前の『大事な用』の邪魔はしねぇ」

北野永が言い終えるや否や、尻に容赦ない蹴りが飛んできた。

「いってぇ……!」

痛みに顔をしかめ、尻を押さえる。文句を言おうとした、そのとき。

「言ってみろ。――あいつの元カレ、誰だ」

諏訪淳行の声が落ちた。

北野永は眉をひそめる。

「お前、彼女に『詮索しない』って約束したんじゃなかったのか?」

諏訪淳行は無言で一瞥しただけだった。

「調べたのはお前だ。俺に言うって決めたのもお前。俺に何の関係がある」

北野永は白目をむく。

――ほんと、ずるい男。

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