第18章 あいつだ!

高見唯月は、がつんと硬直した。

――この顔。

見間違えるはずがない。

薬種屋で自分と薬を奪い合った、あのクズ……!

あいつがいなければ、海市じゅうを半分も走り回る羽目にはならなかった。

記憶が鮮明によみがえった瞬間、胸の奥から怒りが噴き上がる。

高見唯月は足を踏み出し、夏川紅蓮へ一直線に近づいた。

夏川紅蓮は高見唯月に気づいていなかった。だが背後に人が迫る気配に、身体が先に反応する。

振り向いた、その刹那。

高見唯月の平手が、風を切って飛んできた。

けれど――頬に届く寸前。

横から伸びた大きな手が、がしっと高見唯月の手首を掴み取った。

夏川紅蓮はその手の主を見る。

...

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