第39章 命の恩人

だが、夏川紅蓮は男の顔を見極める間もなく、ふっと視界が暗転し、そのまま意識を手放した。

頭が床へぶつかる寸前、大きな手がすっと伸び、彼女の顔をしっかりと受け止める。

「若様……」

まいが足早に駆け込んできたとき、諏訪淳行の腕の中にはひとりの人影があった。

よく見れば、夏川紅蓮だ。

「神医さん? ってことは、外で気絶してた連中も、みんな彼女が……」

「そうだ」

諏訪淳行はうなずき、椅子に縛られたまま意識を失っている夏川懐斗へ視線をやった。

「そいつも連れていけ」

「古流会の連中は……」

「保坂警視を呼べ。今日、古流会を片づけるか――俺に片づけられるか。どっちか選べと伝えろ」...

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