第49章 彼女の身分が分かった

高見浩然は夏川瑠璃に本気で情がある。しかも、瑠璃があんな真似をしたのも自分のためだと思えば、どうしても少しばかり気まずかった。

だが、高見の爺様が口を開いた以上、逆らうわけにはいかない。浩然は夏川瑠璃に向かって低くひと言だけ告げた。

「先に帰れ」

それだけ言い残し、くるりと背を向けて去っていく。

夏川瑠璃は完全に孤立した。けれど、夏川家の人間に自分の無様さを見せる気はなかった。

背筋をぴんと伸ばし、悔しさを呑み込みながらその場を後にする。

どうせ今日、恥をかいたのは自分だけじゃない。夏川家だって同じだ。

あれだけ大々的に歓迎会を開き、シャンパンタワーまで用意しておきながら、集ま...

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